看護ブログ!

遺族会を開催しました

2012年4月6日

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平成23年1月11日、京都医療センターに緩和ケア病棟(全個室20床)がオープンし、12月31日までの1年間に216名の患者さんに利用していただきました。その中には、人生の最期の生活の場として緩和ケア病棟を選択された方もあります。そんな患者さんの家族を対象に、平成24年2月18日土曜日に新中央診療棟4階多目的ホールにて緩和ケア病棟設立後、初めての遺族会を開催しました。

この「遺族会」はグリーフ・ケアを目的としています。悲嘆(グリーフ)は死別やその他重大な喪失に際しておこる心身の自然な反応とされ、誰もが起こりうるものです。この悲嘆が十分に表出できないと残された遺族は日常生活にさえ支障を来してしまうほど危機的な状況となってしまいます。家族や友人、知人といった大切な人と死別し、喪失感や辛さを体験し、後悔や心残り、自責の念を抱えた方達が悲しみという現実を受け入れながらも故人のいない生活に適応し、自分の人生を歩んでいくために少しでも力になればと考え、遺族ケアの一環として開催しました。

sozai 15_r1_c2 当日は雪の舞う中、31名の遺族の方々が参加して下さいました。お茶やコーヒー、お菓子を用意し、医師、看護師、栄養士、音楽療法士等、入院していた頃から関わりのあったスタッフが、遺族と同じテーブルを囲み一緒に近況や思い出を話しながら過ごしました。また、入院中の患者さんの写真をスライドで流し、ともに思い出を振り返りました。そして、音楽療法士とともに、患者さんの思い出の一曲や遺族の方々からのリクエストを交え、ピアノの伴奏に合わせて歌唱し、笑いあり、涙ありの楽しい一時を過ごしました。土屋Drと久保Drがデュエットし、歌い終わった後に二人が抱き合った姿は、会場を沸かせました。

担当していた患者さんの遺族と顔を合わせただけで当時の事が思い返され、来て下さった喜びも混じり、涙してしまうスタッフもいました。最期のその時まで過ごした病院へ向かう道のりも当時の辛かった事や患者の事を思い出してしまい、辛すぎて足が向かない遺族もおられる中、こうして来て下さっただけでも私たちスタッフは嬉しく、感謝の気持ちで一杯になりました。

各テーブルで初対面の遺族の方々がほとんどでしたが、自然とお互いの亡くした家族(患者)との思い出や緩和ケア病棟に来てからの事など話され、終始、涙と笑顔が絶えない会となりました。協力していただいたアンケートに、もっと他の遺族とも話したかったという意見もあり、私たちが思っていた以上に遺族の方々がこの場を求めて下さっていることを身をもって感じることが出来ました。

遺族から笑顔で「今日、皆さんの話を聞いて、悲しんでいてもいいんだなって、泣いてもいいんだなと思いました。そういってまた今日も帰ったら泣くんだと思います。」といった言葉を聞くことができ、悲嘆には終わりがないこと、大切な人を失った悲しみはずっとあるもので、なくなるものではなく、あっていいものなのだと私たちも感じることが出来ました。そして、他の遺族や医療スタッフと患者について話す事で、私たちが意図していたグリーフ・ケアが出来たのではないかと感じることが出来ました。「最期にここで(緩和ケア病棟)過ごす事ができて本当によかったです。」といった言葉も聞くことができ、日々、この病棟で看護していることが患者、家族に響いていたのだなと感じ、私たち自身が抱えていた悲しみや心残り、無力感といった悲嘆も癒される時間となりました。参加いただいた遺族の方に感謝いたします。

初めての遺族会でしたが、遺族とともに泣いて、笑い、歌い、再び遺族から学ばせていただいた事がたくさんあり、多くのことを得られた充実した時間を過ごすことができました。これからもこの遺族会を継続し、更に遺族の方の要望に応えられる会に育てていきたいと思います。

緩和ケア病棟 遺族会プロジェクトチーム

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平成23年度 第3回 成果発表会を開催しました

2012年4月5日

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平成24年3月3日(土)に、平成23年度の成果発表会を開催しました。

 第1回は看護部の研究発表会でしたが、第2回から病院全部門の会となりました。「成果発表会」は、研究発表だけでなく、所属部署での業務改善の取り組みや、委員会・チーム活動の成果を披露(自慢)し、広く院内の職員と共有できる発表会です。

 演題総数は58題あり、その内訳は、医師3題・薬剤科2題・検査科4題・放射線科1題・栄養科1題・リハビリテーション科1題・臨床工学1題・事務部2題・音楽療法士1題・看護学校1題・看護部41題でした。土曜日でしたが、全職員の約4分の1にあたる252名の参加がありました。

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 発表会は総合医学会に準じて企画しています。1題あたり口述発表は6分、ポスター発表は3分とし、セッション毎に座長が運営しました。特にポスター会場は理学療法室の広さを活かして、一直線に19枚のパネルを設置し、両側にポスターを掲示することにより、見やすく動きやすい発表となりました。

 各部門の発表では、検査科の機器が更新されて結果報告までの時間が短縮されたことや、薬剤科のプレアボイドによってインシデントを防いでいることなどを知ることができ、様々な職種が患者さんのために専門的に機能していることを実感することができました。看護部でも、頭頸部の広範囲な手術後の事例や看護のジレンマを感じた事例、外来看護や感染などのチーム活動、認定看護師の活動などの発表があり、お互いの職種や役割を理解することに役立ちました。チームワークをより強くすることができると感じます。

 また今回は術後せん妄に関する発表が5題ありました。これは手術を受ける患者の高齢化や認知症の合併などに起因しているものであり、急性期医療を担う当院の課題でもあります。医療安全と倫理的な問題が含まれているため、各研究を参考に、次年度は看護部全体でスキルアップできるように活かして行きたいと思います。

 ベスト口述賞・ベストポスター賞には、院長より表彰状と記念品が贈呈されました。
 ランチョンセミナーⅠでは、臨床研究センター長である島津先生から、「臨床研究へのいざない~これから臨床研究を始めようとするあなたへ~」というテーマでご講演いただきました。臨床研究計画の立て方としての「PECO」や、臨床研究の倫理指針、インフォームドコンセントの手続きなど、研究計画の基礎となる内容についてわかりやすい講演でした。次の機会には、自分たちが立てた看護研究計画書案をブラッシュアップできるような講義をしていただきたいと、島津先生にお願いしているところです。

 ランチョンセミナーⅡは、東日本大震災から1年を目前に、震災時の活動を紹介し振り返ると共に、あらためて医療者の使命を強く感じる講演となりました。

 京都医療センターの使命と医療の質を向上できるよう、全職種で一層の努力をしていきたいと思います。
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大規模災害訓練の報告

2012年4月4日
平成24年2月25日、京都医療センターの職員及び看護助産学校3年生が参加し、大規模災害訓練を行いました。今回の訓練では 災害対策本部の情報収集を速やかに行い、情報伝達の円滑化、現地対策本部では被災者の受け入れ病床の調整、各ゾーンとの連絡調整の円滑化、トリアージができトリアージタッグの管理ができることを目標としました。
8時30分に京都府南部に震度5強の地震が発生、当直帯で暫定対策本部を設置、被災者の受け入れを開始という設定でした。職員は登院した後、災害対策本部に参加登録を行い、災害対応マニュアルに沿いトリアージゾーン、救護所、搬送の準備を開始しました。

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平成24年2月25日、京都医療センターの職員及び看護助産学校3年生が参加し、大規模災害訓練を行いました。今回の訓練では 災害対策本部の情報収集を速やかに行い、情報伝達の円滑化、現地対策本部では被災者の受け入れ病床の調整、各ゾーンとの連絡調整の円滑化、トリアージができトリアージタッグの管理ができることを目標としました。

8時30分に京都府南部に震度5強の地震が発生、当直帯で暫定対策本部を設置、被災者の受け入れを開始という設定でした。職員は登院した後、災害対策本部に参加登録を行い、災害対応マニュアルに沿いトリアージゾーン、救護所、搬送の準備を開始しました。

被災者は、それぞれ自力にて歩行、家族付き添いの下で来院、京都市消防局の救急車を使用し、40名の被災者が来院する設定でした。また、トリアージゾーンから救護所に移動した患者が急変し、重症患者と判断され、赤の救護所に移動する症例、緊急手術の受け入れが困難となり、隣県への広域医療搬送を決定する症例も含めました。

sozai 13_r1_c2当院は京都府内で唯一の被爆患者の受け入れの二次医療機関の役割を担っています。今回は被災者の中には高浜原発が倒壊し、放射性物質を含む水蒸気が排出され、地震直後20km圏内に避難勧告が出された被災者が5名来院するという設定を大規模災害訓練の中で初めて導入しました。被災状況を確認した後に、指定された担当者に連絡、放射線科職員の誘導により、敷地内に設置したテント内でサーベイの実施と衣類管理や洗髪の指導を行い、被爆患者の対応手順を確認しました。

各救護所では被災者の状態観察、治療の実施、入院・帰宅の判断を行い、訓練終了後は被災者への対応をフィードバックし、傷病に対する知識の不足や情報収集や伝達の確認について再評価し訓練は終了となりました。

sozai 13_r3_c1その後、京都市消防局の救助隊員による硫化水素を浴びた傷病者の救出、除染、搬送のデモストレーションを見学しました。傷病者の救助をするために多くの人と器材を要することを目の当たりにし、より短時間で安全に救助するため、日々の訓練や安全管理に対する意識、知識が必要であることを改めて認識しました。

今回、当院では2年ぶりの大規模災害訓練であること、東日本大震災があり職員の災害医療に関する意識が高まっており、事前に学習会や説明会の開催、災害対応マニュアルの周知のアナウンスを繰り返し行いました。

事後のアンケートでは、混乱した中での被災者の観察や情報収集と伝達が十分とはいえない部分もありました。トリアージや搬送を急ぐあまり、不安になっている被災者や家族に対してのコミュニケーションも適切にできただろうかと振り返る機会になりました。

いざ災害がおきたとき、京都市内は歴史のある家屋が多く、狭い路地も存在し、やっと救助されて病院に来る方が多いと予想されます。今後も職員に対する災害教育、指揮命令系統の周知、職員間の協力体制をさらに構築していきたいと思います。

急性・重症患者看護専門看護師 堀 友紀子

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なるほど納得! ナーシング~わたしの力をあなたの力に~

2012年2月24日

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平成23年11月19日(土)に第3回専門・認定看護師セミナーを開催しました。
今年は体験型のセミナーを増やし、実践に活かせる内容を伝え、専門・認定看護師の知識・技術を参加して下さる方の“力”として欲しいと考えたからです。京都府、滋賀県の病院・医院・訪問看護ステーションにご案内し、109名の参加があり、その内、22%の方が2年連続して参加して下さいました。
京都医療センターには、今年新たに「急性・重症患者看護専門看護師」「脳卒中リハビリテーション看護認定看護師」「糖尿病看護認定看護師」が誕生し、1分野の専門看護師、10分野の認定看護師と治験コーディネーターが活動しています。それでは、各セミナーの様子をご紹介します。

平成23年11月19日(土)に第3回専門・認定看護師セミナーを開催しました。

今年は体験型のセミナーを増やし、実践に活かせる内容を伝え、専門・認定看護師の知識・技術を参加して下さる方の“力”として欲しいと考えたからです。京都府、滋賀県の病院・医院・訪問看護ステーションにご案内し、109名の参加があり、その内、22%の方が2年連続して参加して下さいました。

京都医療センターには、今年新たに「急性・重症患者看護専門看護師」「脳卒中リハビリテーション看護認定看護師」「糖尿病看護認定看護師」が誕生し、1分野の専門看護師、10分野の認定看護師と治験コーディネーターが活動しています。それでは、各セミナーの様子をご紹介します。

緩和ケア認定看護師による『エンゼルケアを深めよう』では、エンゼルケアの最新情報を講義した後、実際にエンゼルメイク体験をして頂きました。エンゼルケアはセルフケアを補うという発想で行い、メイクはその人らしさを大切にすること、グリーフケアとして重要なケアであることを体験していただきました。急性・重症患者看護専門看護師、救急看護認定看護師による『知っ得!BLS!』では、根拠に基づいた確実な技術の獲得を目指し納得するまで何度もBLSの練習を行いました。脳卒中リハビリテーション看護認定看護師による『麻痺のある患者の移動動作』では、ベッドから車いすへ移動するときの「患者の力を活用したラクラク移乗」を実践してもらい、直ぐに役立つと好評でした。

今年新たな試みとして、糖尿病看護&透析看護認定看護師のコラボレーション企画として「糖尿病腎症患者さんに寄り添う看護師の話を聴いてみませんか」と題し、症例の振り返りを行い参加者と共に看護を考えました。また、急性・重症患者看護専門看護師によるシンポジウム形式の講義、各認定分野の活動を紹介したポスター展示も行いました。

参加者のみなさんは熱心で、働いている施設は違っても「より良い看護がしたい」「そのために知識を深めたい」という思いは同じだと改めて感じました。

実施後のアンケートでは、93%の方から来年も参加したいと回答がありました。これからも、地域の看護師のみなさまの力になれる、パワーアップしたセミナーを企画するためにメンバー一同頑張っていきます。

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治験コーディネーター 松井 いづみ

急変(前)アセスメント研修報告

2012年2月22日

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平成23年12月11日(土)、診療部・看護部合同による、急変アセスメント研修を行いました。
目的は、看護師の観察により患者の状態変化を迅速に察知し(気づき)、アセスメントし、的確に報告することで、急変に至らせない、そのための観察力・判断力・行動力を学び身につけることです。
 この研修は、研修の目的に賛同いただいた、総合内科小田垣先生、腎臓内科瀬田先生、救命科別府先生の強力なバックアップのもとに、副看護師長、急性・重症患者看護専門看護師、救急看護認定看護師が担当して行いました。
研修生は実務経験4年目以上、夜勤でリーダーを担っており、研修の学びを実践指導・指導できると看護師長が期待している看護師20名です。

sozai 11_r2_c2研修は、まず、小田垣先生からの『心停止症例の60~70%は、その6~8時間前に何らかの前兆を認めると言われている。つまり心停止は急変のなれの果てであり、看護師の腕の見せ所は「ドクターハート」時の対応ではなく、患者が生命の危険にさらされる前段階にこそある』『患者に最も近いところで最も長い時間接している看護師は、入院の全期間にわたり、急変の危険から患者を守らなければならなければならない』という話からはじまりました。

研修内容を紹介します。迅速評価、一次評価、そしてSBARに基づいて的確な報告をする参加型研修を行いました。
 迅速評価はビデオを見て瞬時に異常を発見する練習を行います。一次評価からは蘇生モデル人形を用い、事例の設定に合わせ患者の状態をABCDE(表1)で評価、最後にリーダーがSBAR(表2)で報告します。報告では、医師は研修生からの報告内容に合わせて次々とアドリブで質問、駄目だし、指示だしを行い進めて行きます。その後、自己評価、他者評価によりフィードバックを行います。事例は「呼吸不全」「心不全」「脳梗塞」「敗血性ショック」の可能性にたどり着くという4事例を用いました。
 実際の演習では、研修生たちは、ABCEDに沿って患者の状態を観察し、患者の状態を伝え、今何か起こっていること、医師に来てほしいことを伝えようとするのですが、なかなか上手く患者の状況を伝えることができません。また、患者の状態に関するアセスメントができず、医師に判断をゆだねてしまう場面もありました。演習後のフィードバックでは他者からの評価から自分の傾向や改善点に気づくことができ、学びを共有することができました。
 研修後のアンケートには、『患者が急変するかしないかは、自分たちにかかっていると思った。患者さんを急変させないように頑張りたい』『気づきに自信がなかったのでとても勉強になった。系統立てて観察しアセスメントしていく方法が理解できた』『SBARでの報告の仕方が学べた、今まではだらだら報告していた』『SBARで報告できるようにして行きたい。この学びを病棟で伝えたい』等の意見が多くあり、研修の目的を達成することができたと考えます。今後、研修生達が臨床で実践してくれること、研修で学んだことを伝達し浸透させてくれることを期待しています。また、次年度の経年別教育計画にも取り入れることを検討しています。

副看護部長 松浦 ゆきみ

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