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遺族会を開催しました

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平成23年1月11日、京都医療センターに緩和ケア病棟(全個室20床)がオープンし、12月31日までの1年間に216名の患者さんに利用していただきました。その中には、人生の最期の生活の場として緩和ケア病棟を選択された方もあります。そんな患者さんの家族を対象に、平成24年2月18日土曜日に新中央診療棟4階多目的ホールにて緩和ケア病棟設立後、初めての遺族会を開催しました。

この「遺族会」はグリーフ・ケアを目的としています。悲嘆(グリーフ)は死別やその他重大な喪失に際しておこる心身の自然な反応とされ、誰もが起こりうるものです。この悲嘆が十分に表出できないと残された遺族は日常生活にさえ支障を来してしまうほど危機的な状況となってしまいます。家族や友人、知人といった大切な人と死別し、喪失感や辛さを体験し、後悔や心残り、自責の念を抱えた方達が悲しみという現実を受け入れながらも故人のいない生活に適応し、自分の人生を歩んでいくために少しでも力になればと考え、遺族ケアの一環として開催しました。

sozai 15_r1_c2 当日は雪の舞う中、31名の遺族の方々が参加して下さいました。お茶やコーヒー、お菓子を用意し、医師、看護師、栄養士、音楽療法士等、入院していた頃から関わりのあったスタッフが、遺族と同じテーブルを囲み一緒に近況や思い出を話しながら過ごしました。また、入院中の患者さんの写真をスライドで流し、ともに思い出を振り返りました。そして、音楽療法士とともに、患者さんの思い出の一曲や遺族の方々からのリクエストを交え、ピアノの伴奏に合わせて歌唱し、笑いあり、涙ありの楽しい一時を過ごしました。土屋Drと久保Drがデュエットし、歌い終わった後に二人が抱き合った姿は、会場を沸かせました。

担当していた患者さんの遺族と顔を合わせただけで当時の事が思い返され、来て下さった喜びも混じり、涙してしまうスタッフもいました。最期のその時まで過ごした病院へ向かう道のりも当時の辛かった事や患者の事を思い出してしまい、辛すぎて足が向かない遺族もおられる中、こうして来て下さっただけでも私たちスタッフは嬉しく、感謝の気持ちで一杯になりました。

各テーブルで初対面の遺族の方々がほとんどでしたが、自然とお互いの亡くした家族(患者)との思い出や緩和ケア病棟に来てからの事など話され、終始、涙と笑顔が絶えない会となりました。協力していただいたアンケートに、もっと他の遺族とも話したかったという意見もあり、私たちが思っていた以上に遺族の方々がこの場を求めて下さっていることを身をもって感じることが出来ました。

遺族から笑顔で「今日、皆さんの話を聞いて、悲しんでいてもいいんだなって、泣いてもいいんだなと思いました。そういってまた今日も帰ったら泣くんだと思います。」といった言葉を聞くことができ、悲嘆には終わりがないこと、大切な人を失った悲しみはずっとあるもので、なくなるものではなく、あっていいものなのだと私たちも感じることが出来ました。そして、他の遺族や医療スタッフと患者について話す事で、私たちが意図していたグリーフ・ケアが出来たのではないかと感じることが出来ました。「最期にここで(緩和ケア病棟)過ごす事ができて本当によかったです。」といった言葉も聞くことができ、日々、この病棟で看護していることが患者、家族に響いていたのだなと感じ、私たち自身が抱えていた悲しみや心残り、無力感といった悲嘆も癒される時間となりました。参加いただいた遺族の方に感謝いたします。

初めての遺族会でしたが、遺族とともに泣いて、笑い、歌い、再び遺族から学ばせていただいた事がたくさんあり、多くのことを得られた充実した時間を過ごすことができました。これからもこの遺族会を継続し、更に遺族の方の要望に応えられる会に育てていきたいと思います。

緩和ケア病棟 遺族会プロジェクトチーム

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